消費者選択

     

昨日のBlogにこのような【反論】を頂きました。

反論します。

戦前の天然乾燥木材は含水率30%以下ではなく20%以下でした。
戦前の寺社建築は、昭和20年までは少なくとも10年天然乾燥させて、芯まで20%以下まで乾燥していたと思われます。
木材を分割して芯までの乾燥状況をチエックする含水計はなくそういうこともしてはおりませんでしたが、
建築物を解体した際の木片から、新築当初の乾燥状況を推測計測する技術は現在はあるのでそういえるのです。

針葉樹にてのデーター

現在20年の長期間も伊勢神宮の檜でも天然乾燥することはほとんどないのですが、芯が22%、表面が17,18%のデータはあるようです。
表面は17から!19%芯が20%まで乾燥しています。麦側は伐採時の乾燥状況です。
5寸角の加子母檜の柱を25分割して乾燥度合測定したものです。

当社は葉転園乾燥と中温(85度C)電気乾燥を交互に繰り返して3か月で伊勢神宮使用材と同様に芯まで一律乾燥の気を作る技術を持っています。
他の低温乾燥と同じではなく蒸気乾燥法でもっと低温です。

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ー私からのお答え

私のお話は【知識】でなく【知恵】のお話になります。

大工さんは
「柱は乾燥させ、梁は半乾燥くらいで使うこと梁は木自身が収支(→収縮でした)し、家を引き締め強くすることに繋がる」
と教えられ私達材木屋も「柱は完全乾燥させる(梁は完全乾燥させない)」をしてきました。

ですから、梁は「グリーン材」と言いました(柱にはグリーン材はありませんから言いません)「含水率計」など無い(使わない)時代の話です。

それで「古民家は今の住宅より長持ちした」のは事実です。

そこに「機械を(燃料を)使って無理矢理乾燥させる」理由は私にはみつかりません。
(含水率よりリグニンなどの成分がどうなったか?の方が大事かもしれません)

消費者が納得して「自然の木は割れたりそったりする(節が有るも同じですが)」と理解すればそれでいいと思います。
その割れたりそったりは梁材の話で、柱は1年位自然乾燥させれば十二分です。
(柱の大きさは一般的に120cm角で150cm角である必要は無いと思います)

「古民家鑑定士」が中心となり【先人の知恵】から学ぶ
全国の「木の住まい教室」住育学校」消費者に伝えて選択頂く・・・・それは「消費者判断」だと思います。

・プレカットで大手ハウスメーカーと同じく【知識(数字)】で家を建てる人、

・職人の技術を活かして【(先人の)知恵】で家を建てる人・・・・

様々有ってもいいと思っています。それも「消費者選択」だと思います。

追伸
家は50年以上住み続けて頂きたいと思っていますから「数字は今の数字」だけでなく「将来の数字」も大事だと考えます。
(50年経過しないと解らない・・・データーが出せないのは理解しています)