新民家の考え方の原点

     

住宅を作らせていただく中で
良く古い古民家に使われていた古材を利用しています。
古材を使うからと言って材料費が安くなる訳でもなく、
価格は新しい木材とほぼ同等です。では、なぜ古材を使うのか。

古材は乾燥しているために強度的には新しい材料よりも強いですし、
見た目の風合いもカッコいいという理由もありますが、
私が一番大切にしたいのは
「思い出」「想い」として伝えて欲しいからかもしれません。
古い家におばあちゃんが独りで住まれていましたが、
道路の拡張に伴い壊さなければならなくなり、
家の近所に新しい土地を購入し家を建てる事になりました。

息子達が将来別荘として使用できるような感じで和風ではなく
洋風のデザインで、子供達が帰って来ても
泊まれるスペースは欲しいが、
独り暮らしなのであまり大きな家はいらない、
農機具などを収納出来るガレージのようなものも必要等の事でした。
新しい家は年を取られたおばあちゃんに取っては
馴染みにくいものですし、尚更今まで住んで来た和風ではなくて
洋風の家にするなら何か落ち着いて安心出来る家にする為の
モノが必要です。そこで私が提案したのが古材でした。

使用した古材は屋根を支えていた天井裏の古材ですから
前の家でも直接見ていた訳ではありません。
しかし、前の家を解体して取り出した古材を
新しい家に使うプロセスを見ていただく事で
愛着ある世界に二つとして無いかけがえのない思い出の品に
生まれ変わったのです。

思い出は胸の中にそっとしまっておく事も大切ですが、
このように今までは愛着の無かったものに命を吹き込み、
思い出の品、新築住宅なのに「思い出」
あふれる家にする事が私の「想い」です

「新民家」これからの住宅の当たり前です。