木のお話

  • 2014.08.08
     

先般の「木に関するコト」で「1」「2」 を書かせて頂きましたが・・・
またご意見を頂きました。

①「木は死んでいる」

【ご意見】
木は立木の状態で、若木でなくなると95%以上死んでいます。
伐採された木は100%物理的に死んでいます。
調湿生があることと、カンナ等で削れば香りがあることからこういう表現を使うのでしょうが、誤りです。
また調湿性というのは水を吸うはくのではなく水蒸気(つまり気体)です。
液体は受け付けません。液体と気体の違いは分子の大きさです。

【私の回答】
「古材」と題して講演させて頂いた時に「木は生きている」と言って問題になったことがあります。
しかし「消費者視点での言い方」としていいのではないでしょうか?
割れや反り伸縮があり、香りもしますし、吸放出性能はありますから・・・。

②「木を見て使う方向のはナンスンス」

【ご意見】
年輪が多く幅が均一なのが良い木であり、したがって良い木を使えば使う方向を決める必要などない。

【私の回答】
年輪が均一な国産木材は産地の考え方次第ですが「吉野」「尾州」「尾鷲」「秋田」くらいで「銘木」となります。
割合として多くは年輪は均一でなく、山の方向で決まります。多くの場合使う方向はみた方がいいと思います。
「プレカット」では「木の性質」はみれないから現実は「機械乾燥」をせざる得ません。

③「KD材はしっかり乾燥しているから狂わない」

【ご意見】

KD材は高温で全巻乾燥するため内部割れが多い狂い易い。
乾燥はコスト削減を優先し、短時間で高温乾燥させた場合、外観ではわからない内部に割れが生じていたり
ひどいケースでは内部が蜂の巣状になるなど、構造材としては使用できないものになってしまう。
また、表面は過乾燥、内部には多量の水分を残こしてしまうということも人工乾燥材にはよくある。

【私の回答】
機械乾燥は「木を完全に殺すから(消費者視点のいい方)・・・その後狂わない」
は消費者視点で正確に伝えられればいいのではないですか?

④「集成材は無垢の1,5倍強い」

【ご意見】
これは完全な誤りであることは20年前にデータで実証されています。
人工乾燥は被乾燥材の材質や断面の大きさ、初期含水率あるいは乾燥履歴の有無などを考慮し、
温度・湿度・風速などを調節し、損傷を抑えながら、なるべく短時間で乾燥を終えられるようにすることで
天然乾燥に比べて乾燥効率が極めて良く、しかも安定した乾燥材を作ることができます。

【私の回答】
集成材にもいろいろ、無垢にもいろいろ有ります。
しかし、50年後の強度は「無垢と比較して集成材は強度が落ちる」は正しいと思います。

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コスト的に、全国多くの地域で「長持ちするいい木材を使う」には「自然乾燥」が一番いいと思います。
「機械乾燥」は「長持ちするいい家を建てたい人に明日から全国で供給する」ことができません。
大手にしかできない・・・それでは「いい国産木材を供給するちっさな材木屋」が生き残れない・・・私はそう考えています。