2040年の日本の現実

     

 

総務省が7日発表した住民基本台帳に 基づく3月末時点の人口動態調査によると、
日本人の総人口は1億2665万9683人と、前年同期に比べて26万3727人減少した。
3年連続で前年を下 回り、過去最大の減少数となった。
少子高齢化の進展で死亡数が出生数を上回る人口の自然減が初めて20万人を突破。
東日本大震災の被災地では県外への人口 流出が大幅に増えた。

 住民基本台帳の人口は毎年3月末時点で住民票に記載している人数。日本に定住する外国人は対象に含めていない。
昨年は震災の影響で岩手、宮城、福島の3県、22市町村で集計できなかったが、今回は集計した。

 出生数は前年を約2万人下回る104万9000人と、調査を始めた1980年以来の最低を更新した。
死亡数は125万6000人と過去最高。死亡数から出生数を引いた自然減は前年(約15万人)を上回った。

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入 国者が出国者を下回る「社会減」は5万7000人にのぼった。
5万人を超えるのは企業の海外進出が活発だった80年代後半のバブル期以来。
今回、社会減が 大きく増えた要因を総務省は詳しく分析していないが、「
仕事などで海外に移り住む日本人が増えたことが一因」と見ている。

47都道府県のうち40道府県で人口が減った。
中でも震災の被災地は減少が顕著になっている。
福島県の減少数は人口の2.17%にあたる4 万4281人で、全国でも最大の減少率。県外に転出する社会減が3万3980人となり、
福島県は「福島第1原子力発電所事故の影響で若年層を中心に人口流 出が増えた」(統計課)と分析している。
岩手県も1万7019人の減少となった。津波で壊滅的な被害を受けた沿岸部の市町村で2桁の減少となった。

15~64歳の生産年齢人口の割合は63.3%と前年に比べて0.4ポイント低下。
逆に65歳以上の人口比率は23.4%と初めて23%台に乗せた。日本の社会保障制度は現役世代が高齢世代を支える仕組みで、
現役世代を中心とした負担がさらに大きくなる公算が大きい。

(引用 日経新聞