大工さんの育成

     

今日は【大工育成】のお話

この数年、大工さんに憧れる少年が増えています。
小学生が将来なりたい職業の上位にランクされて、
女の子にまで希望者が広がっています。

「大工さんになりたい」そんな若い人は多くいます。

修業が厳しく、危険もともなう「3K職場」と見なされてきましたが、
再び「手に職」が求められているのです。

大工さんの数は1980年の約94万人から2000年の約67万人、
2010年には約40万人に減少し、
東京オリンピックが開催される2020年には
21万人まで落ち込むと推定されています。
とくに30歳未満の若手の比率が低下し、
50歳以上が増えて高齢化が進んでいます。

所得や社会保障などの面で大工さんは魅力のない仕事になってきています。
多くの大工さんは常雇でも社会保険と
ガソリン代、工具は自分持ちなどと言われるように、
日当に経費が含まれていることが多く、手取りは決して多くありません。

社会保険もほとんどが国民年金と見られ、
65歳を過ぎても年金が6万〜7万円しかもらえないため、
現場で働き続けるしかない現実があるようです。

また企業も「お金と時間を掛けて教育しても大工は定着しない」と
大工育成にかけた費用が無駄になるケースが多く
社員大工化が進んでいません。

大工さんを育成していくために
腕の良い大工の仕事が金銭的に評価される仕組みを構築し
時代は大工さんの地位向上を実現していかなければなりません。

私たちは昨年
「平成の大工棟梁育成施策検討会議」で1年間議論してきました。

そしてこの8月に
1、若手大工さんを育てます(魅力ある業界にします)
   「大工さんになるための就職ガイドブック」を発刊します。

2、大工さんを評価する(消費者が納得する)仕組みをつくります。
  若手大工さんを中心に「技術を評価する検定をスタート」させます。

「補助金助成金ではなく民間の力」でスタートします。
当団体の為でも、各事業者自社の為でもなく、日本の未来の為です。
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2030年には大工さんがいなくなり
「工場生産型住宅中心になる」という予想があります。
そんな時代にしては「古民家が残らない」だけでなく
「日本の文化を残してあげられなくなる」ことは阻止しなくてはなりません。

「住教育」と共に「大工育成」は10年後の為の事業です。
今取り組むべき大事なこと・・・そう確信しています。