木材利用ポイント制度

  • 2013.10.07
     

「木材利用ポイント制度」

林野庁が基本的に国産材の利用を促進するために始めた事業で、
今年度に410億円を計上しています。

条件を満たした木造住宅の新築等に
使用した木の量に応じて木材利用ポイントを付与し、
定められた金品やサービスと交換できる制度です。

ポイントを申請できるのは、この事業の登録業者でなければなりません。

ポイントの還元は、現金でありませんが
30万円までは木工事の支払いに使えますから
作り付け家具やデッキの建設などに利用できます。

事業の目的は、国産材の需要を増やして林業振興につなげ、
それが山村の復興にもなること・・・・と言います。

問題は、これで林業家や国産材を扱っている業者等が
消費量が伸び、価格が上がり潤っているかということです。

これまで国産材を使ってきた建築家や工務店が申請しても、
国産材の新たな需要を増やすことにはなりません。
また
山主と結んで産直住宅を建てていた工務店も、
ほとんど合法証明などを取っていませんから逆効果となります。

輸入材で住宅を建設してきた工務店などが、
ポイント目当てに国産材に切り換えればいいですが
いきなり国産材に変えられるとは思えません。

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心配なのは、結局、需要の先食いになることです。

もともと国産材住宅を建てるつもりだったお施主様が
ポイント目当てに駆け込むだけなら、需要そのものは増えません。
むしろ事業終了後に落ち込みます。
さらに来年度かから消費税率で住宅着工件数の激減が予想されています。

もっとも望ましいことは
この制度をきっかけに国産材で住宅を建てようと考える人が増えることです。
そして工務店が国産材をその後も使い続けるようになれば、
長期的に効果が期待できます。

木の住まい支援協会全国連合会 の役割は大きく
今秋から全国各地で開催される「木の住まい教室」がその時代を担っています。