設計事務所の役割を考える
コルビジェの「国立西洋美術館」が世界文化遺産になりました。
設計家に名はありますが、施工者の名はありません。
これまで国内における公共工事では
設計と施工を分離して発注するのが一般的でした。
1959年の建設省事務次官通達により
「設計の受託者は当該工事の入札に原則として参加できないもの」
この原則が長く続いてきました。
「公正に」「安く」を確保するため、
発注者は設計者に委託して作成された設計図に基づき、価格競争入札を行い、
最低価格を提示した施工者に工事を発注する時代でした。
もうそんな時代ではない・・・薄々皆さん感じ始めています。
最近の流れは
設計と施工を一括で発注する「デザインビルド」だそうです。
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【デザインビルドの主なメリット】
・設計と施工を一元化することにより、施工者のノウハウを反映した設計や、施工者の固有技術を活用した設計が可能になる
・発注業務が軽減されるとともに、設計段階からの施工の準備が可能となる
・設計時から施工を見据えた品質管理が可能になる
・施工者の得意とする技術の活用により、より良い品質が確保される
・技術と価格の総合的な入札競争により、施工者の固有技術を活用した合理的な設計が可能となる
【デザインビルドの主なデメリット】
・施工者側に偏った設計になりやすくなる
・設計者や発注者のチェック機能が働きにくくなる
・契約時に受発注者間で明確な責任分担がない場合、工事途中段階で調整しなければならなくなったり、受注者側に過度な負担が生じたりすることがある
・発注者側が設計・施工を“丸投げ”してしまうと、本来発注者が負うべきコストや品質確保に関する責任が果たせなくなる
・・・・・「設計・施工一括及び詳細設計付工事発注方式実施マニュアル」より(2009年)・・・・・
この流れは「公共事業だけ」なのか?
設計事務所はピンチと見るか、チャンスと捉えるか?どうなっていくのでしょう?
新しい設計事務所の役割が必要な時代に思います。
建築系の専門学校に通う学生に「設計か?大工か?」のアンケートをすると
実に9割の学生が「設計家(建築家)になりたい」と答えます。
その理由は
「建築系を目指すと設計が仕事があり、一番安定しているから」と答えます。
学生はそう見えているのです(隈研吾さん・安藤忠雄さんをみてる?)
私は時代とともに変わるべき
「業界自体にその役割分担がなくなっている」と感じます。
時代を冷静に捉えて『業界の活性化の為に』
根本から建築業界を考え動かしてみたい・・・と思っています。
変わるべきもの変えちゃいけないもの考えたいと思います。
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